苦労した末の1尾に笑顔
笑顔満開!終了間際にキャッチ
緑豊かな好環境のなかで
埼玉県北本市にある北本総合公園は、10.6ヘクタールもの広い敷地をもつ。園内には野球場やテニスコートなどのスポーツ施設のほか、アスレチック遊具がある芝生広場や親水広場、健康遊具平場があるなど、レクリエーション活動の拠点になっている。また、樹木も豊富で、四季折々の自然のなか、多くの人の憩いの場になっている。
公園内にある調整池は釣りが可能で、定期的に放流がおこなわれているので魚影は濃い。本格的な道具でヘラブナを狙う人をはじめ、簡単な仕掛けで小物釣りをするファミリーなど、それぞれのスタンスで楽しむことができる。
3月23日(土)、東京都在住の川嶋岳さん(中1)がお母さんと釣行した。前日は都内で最高気温が20度を超える暖かさだったが、当日は寒気が南下して冷え込んでしまった。10時半に到着し、東岸のメタセコイアの林の下に入る。北岸にヘラ釣りをしている人が10人くらいいたが、急に冷え込んだ影響かあまり竿は立っていない。
ターゲットはフナとコイで、2.7メートルの竿でウキ釣り。エサはヒロキューのポケベイト。これは海から淡水の釣りまで、魚種を問わず使える万能エサ。指先でちぎって付けるだけなので、練りエサと違ってビギナーにも簡単にハリ付けできる。そのうえ常温保存でOKなうえにおいなし。これひとつ用意しておけば、あらゆるシーンで活躍しそう。
雨が降るなかヘラ釣りをしている人でにぎわっていた
当日使用したエサ
ビギナーにもエサ付けが簡単
岳さんは、釣り堀での経験はあるが野釣りは初めて。期待と不安のなか準備を始める。2.7メートルの竿はこれまでに使ったことのない長さなので、開始当初は慣れない様子。振り込みが少し雑になっても、固形エサなのでハリ抜けすることはなかった。
振り込みはすぐに慣れた。投餌点が安定するとウキが動きだす。ただし、弱々しい動きばかりで力強いアタリはでない。なかなか乗らなくても、ウキに動きがあれば楽しいもの。岳さんはどうにかして釣ろうと、アタリを選んでいる。
冷え込みによる食い渋りを心配したが、ウキは予想以上に動く。でも、なかなかハリ掛かりしない。「フナよりも小さな魚が寄っているのかも」。そこで、エサを小さくちぎって付けてみる。するとクチボソがハリ掛かり。狙っていた魚ではないが、釣れればうれしいもの。岳さんは初めて見るクチボソをじっくり観察していた。
その後もウキは動くがなかなか釣れない。フナを想定していたので、クチボソを釣るような小さなハリは持参していない。それでも岳さんは「最後まであきらめないよ」とアワせ続ける。
時間の経過とともに寒くなったので、お母さんから「15時になったら終わろうね」の提案。岳さん「わかった」とウキを見つめ続ける。
残り時間が10分になったところで、岳さんの竿が曲がった。クチボソのときとは、あきらかに違う引き。姿を見せたのは狙っていたマブナで、「やったー」と声を上げる。粘った末の本命ゲットに満面の笑顔を見せた。
寒さに負けずウキを見つめて
自然豊かな公園内を散策しよう
都心では見られない野鳥に感動
岳さんは、釣り以外にも、サギやカモなど自宅近くでは見られない鳥にも興味津々。釣り人にとって〝招かれざる客〞のカワウにも「大きいね」と目を丸くしていた。春休みのいい思い出になったことだろう。
▼圏央道桶川加納IC~県道12号~県道311号を利用し、北本高校入口信号を右折 <東京・湯浅浩由>